UX KYOTO 2013 #03「ユーザー評価(観察法)」
2013/12/7 13:00-18:00 はてな京都セミナールーム
こんにちは、Heberekeです。
今回参加したUX KYOTOの課題は、「京都にある観光施設の公式サイトのユーザー評価」。ワークショップも回を重ねてだんだん慣れて来たような、思考スピードも少しずつですが上がって来ているのを感じます。
ワークショップ内容(約5時間)
- 事前に課題サイトをじっくり使い込んでみる
- タスクを決める(仮説ペルソナ、シーン、シナリオ、タスク)
- 被験者を選ぶ(今回はノービス2名、エキスパート1名)
- 冒頭説明後に記録スタート
- 終了後にインタビュー
- 問題箇所や改善案を分析
- 発表
ユーザーテストはモデレーターをやったこともあるので、割と全体像は理解しやすかったです。個人的には事前調査時に「うーん、この課題サイト、正直デザイン的にはどうかな…?」と思っていたのですが、なんと被験者の結果はエラーが思った以上に少なかったという。もしや、意外と利用シーンに沿ってる?
どうやら、開発者寄りの「体験を付加しなきゃ」視点が強くなっているようです。ユーザーがそもそもサイトに来る目的は何なのか、そこをすっ飛ばして、余計な付加価値を付け足そうとするのは要注意ですね。
以下、講義やワークショップ内で興味のあった箇所をピックアップで。
_______________________________
評価手法
調査したい内容によって、適正な手法を選びましょう。
_______________________________
ペルソナ
最近のアジャイル開発ではペルソナの簡略化がトレンド(プラグマティックペルソナ)。また、ユーザー評価のためのペルソナとUX評価のためのペルソナは異なるので、注意すること。
_______________________________
シナリオ
アクティビティシナリオとインタラクションシナリオの違いを意識して、あくまでユーザー目線でのアクティビティを想定すること。
アクティビティシナリオ UI用語を使わない。実装に依存せず、抽象的なもの。時代性のない、普遍的な欲求。(例:Aさんは近所の美味しい店を調べた)
インタラクションシナリオ UI用語を使う。実装に依存し、具体的。デバイスに依存する。(例:Aさんは近所の美味しい店について食べログで検索した)
アクティビティシナリオでUI用語(ダブルクリック、ボタン、検索など)を一切使わずに、ユーザビリティの定義をさらっと盛り込むことが難しい!これができるようになったら熟練者だとか。
_______________________________
インタビュー
複数の視点からの結果を総合的に考察。トライアンギュレーションの中心に真実がある。
_______________________________
思考発話法
被験者にタスクを実行してもらいながら、思ったことを口にしてもらう方法。うまく喋ってもらうためのコツは「まずはじめに一連のタスクが書かれた用紙を、ゆっくり声に出して読み上げてもらう」こと。
これをやることで発話しやすい雰囲気になり、滑舌も良くなり、声を出しやすくなるそうで。なるほどね〜これは確かに被験者によって発話量に差があって悩んでたところなので、良い情報聞いた。
_______________________________
HCDとUXの関係
UX(ユーザー体験)の基本はHCD(人間中心設計)。HCDもきちんと学んだ上でUXを実践すること、UXばかりを追求するとシナリオやペルソナで根拠のないものが出来上がってしまう。最近このパターンで失敗例が多いそうで。
新人に教える際は、ペルソナやシナリオから入るよりも、ユーザー評価を実践してからの方が良いとか。
_______________________________
以上です。最終的な所感は次回後半戦のNE比分析にて。
※余談ですが、ユーザー評価(ユーザーテスト)については樽本徹也さんの「アジャイル・ユーザビリティ」も良書ですよ
_______________________________
UX KYOTO http://www.facebook.com/uxkyoto
情報デザイン研究室 http://asanoken.jugem.jp/
_______________________________